3勇者の章


アレス
「自由都市のリーダー 
風の勇者アレスだ」
レオン
「王都を治める 
獅子王の勇者レオンだ」
エリス
「聖都の巫女
 神焔の勇者エリスです」
アレス
「今回3人の勇者が集まったのは他でもない」
「モンスター軍が勢力を強めて各陣営とも本拠地近くまで攻め込まれている
ここはいったん3陣営で協力体制を築きたい」
レオン
「協力体制はいいが
われわれ王都は聖都がしかけてきた戦いによってかなりの痛手を負うことになった」
「今さら聖都のいうことを信じることはできん」
エリス
「戦いのきっかけはあなたたち王都が起こしたと聞いています
われわれ聖都軍から理由なしに人間を攻撃するなどありえません」
レオン
「なんだと 王都軍から戦いをしかけたというのか」
アレス
「やめろ おれはお前たちのいざこざを聞きにきたわけじゃない」
「戦いが起きた以上はどちらも悪いんだ
だから多くの人が王都と聖都を離れておれを頼ってきた」
レオン
「勇者アレス 
そもそも王都はお前たちの独立を認めたわけではない」
「お前たちが王都を離れ兵力が弱まったことも
モンスター軍を増長させた原因のひとつなのだぞ」
アレス
「なんだと」
レオン
「お前たち民衆は自由を与えるとすぐにおのれの欲望のままに行動する」
「そのためにわれわれ王族が統率し管理することが必要なのだ」
エリス
「民衆を管理しなければいけないことには同意ですが王族も民衆と同じ人間です」
「すべての統率は神の意志によって行われるべきなのです」
アレス
「その結果が人間同士の戦いなのか
王族も教団もおれたちは認めることはできない」
「おれたちは意志を持ったひとりひとりの人間だ
王族や教団の手駒ではない」
エリス
「この争いさえも人間が成長するための神の試練なのです」
「この場は3陣営で協力するようにとの神のお告げです
聖都は同盟を受けましょう」
レオン
「いつまでも神頼みの聖都の考えは理解しがたいが
モンスター軍を相手にしながら背後から人間にも攻撃されるのは避けたい」
「聖都が約束をまもるというのであれば王都も同盟を受けよう」
アレス
「それじゃあ同盟成立だな
おれたち自由都市が同盟の立ち合い人だ」
「人間同士の争いはやめ
お互いに正面のモンスター軍に戦力をかたむける」
「またお互いの信頼の証として交易所を開き
必要な兵や物資をやりとりしたい」
レオン
「交易だと」
アレス
「おれたち自由都市は流通が盛んで物資に余裕があるが
兵や資金は不足している」
「兵力に余裕がある王都が兵士を提供し
財力に余裕がある聖都が資金を提供する」
「交易でお互いの不足を補い合い
同時に対モンスター軍の情報交換も行うんだ」
「3陣営で協力体制を築きモンスター軍を撃退する」
レオン
「いいだろう
 まずはモンスター軍の撃退が先だ」
エリス
「われわれ聖都も異論はありません
すべては神のおぼしめし通りです」
レオン
「勇者アレス またわれわれを召集するとは何か進展があったのか?」
エリス
「神から同盟に関するお告げはありません
 手短にすませなさい」
アレス
「精霊の話
 といえば分かるか?」
レオン エリス
「精霊?」
アレス
「お前たちも身につけている首飾り
 おれと同じ精霊の力を感じる」
「お前たちも精霊のアイテムから勇者の力を得ているんだろう?」
レオン
「この首飾りは王族に代々伝わる秘宝だ」
エリス
「わたしの首飾りは神から授かった宝珠です」
アレス
「おれはある古い遺跡でこの首飾り 風のまもり を見つけた
そこで出会った不思議な光から勇者の力を授かった」
「その不思議な光は精霊と名乗った」
レオン
「その精霊がどうかしたのか?」
アレス
「遺跡に行かないと精霊と話すことはできないけど
風のまもりからかすかに精霊の意志を感じる」
「お前たちは首飾りから何かの意志は感じないのか?」
レオン
「おれは先代の王からこの秘宝を授かった
精霊には会ったこともないし感じることもない」
エリス
「わたしは聖都の神殿で直接神の声を聞ける巫女です
わざわざ首飾りを介して声を聞く必要はありません」
アレス
「そうか」
「最近 風のまもりから不安な意志を感じるんだ」
レオン
「不安?
そんなことでわれわれに召集をかけたのか」
「モンスター軍との戦いで疲弊しているのはみな同じだ 
戦いに戻る」
エリス
「神からそのようなお告げは聞いていません 
わたしも戻ります」
アレス
「待てよ」
「何か異変があったのかもしれない
 いちど風の遺跡に行ってみよう」
風の精霊
「勇者アレス よく来ました」
アレス
「風のまもりからあなたの意志を感じました」
風の精霊
「そうです
 わたしが呼び寄せたのです」
アレス
「いったい何が」
風の精霊
「わたしは精霊界の精神的存在 この世界には実体を持ちません」
「しかしある理由があって精霊のアイテムを介して人間を助けます」
「その強力な力から
精霊のアイテムを扱う人間は勇者と呼ばれ凶悪な魔物たちとも戦うことができます」
「精霊界の精霊はわたしだけではありません」
「人間界に様々な人間がいるように
精霊界にも様々な精霊が存在するのです」
「あなたも知るように
この地方にはあなたを含め3人の勇者がいます」
「そしてそれに対応する精霊も3つ」
アレス
「やっぱり他の2人も精霊の力で」
風の精霊
「力の精霊」
「秩序の精霊」
「この地方に降り立った他の2つの精霊です」
アレス
「力の精霊と秩序の精霊」
風の精霊
「そうです」
「わたしの魂は精霊界にありますが
この地の人間に力を貸すために意識は人間界にあります」
「そのため他の精霊に直接干渉することはできませんが
同じ地に降り立ったもの同士多少の気配は感じます」
「どちらかの精霊に異変を感じます」
アレス
「異変?」
風の精霊
「あなたと同じように
他の精霊のアイテムもどこかの精霊の地で手に入れたはずです」
「精霊の地を探し
精霊を訪ねなさい」
「異変の理由が分かるはずです」
アレス
「でも あいつらは王都と聖都のリーダー」
「おれのいうことなんて聞いてくれるかどうか」
風の精霊
「数年前から人間界の負の感情が増しているように感じます」
「異変と関係があるかもしれません」
「人間界の信頼を取り戻すように努めなさい」
「あなたたちの重要性を他の2人の勇者に示すのです」
アレス
「戦いを起こして世界を乱したのはあいつらだ」
「でもあいつらの力も借りないと仲間たちをまもれない」
「交易を続けて信頼を上げていくしかないか」
アレス
「今回集まってもらったのはどうしても直接伝えたいことがあるんだ
聞いてほしい」
「おれはあのあと精霊の遺跡に行き風の精霊の話を聞いてきた」
「おまえたちの勇者の力もやはり精霊の力だった」
「力の精霊と秩序の精霊だ」
レオン
「力の精霊だと」
エリス
「精霊ではなくわたしたちにとっては神です」
アレス
「呼び方は違うかもしれないけど
精霊界の存在がアイテムを介して力を授けてくれたんだ」
「おまえたちもいつも身につけている首飾り 
それが精霊の力の証明だ」
「風の精霊の話では
精霊の首飾りを手に入れた場所があるはずだ」
「そこが精霊の地だ」
「精霊に会って話を聞いてくれ
 この地の精霊の力に異変が起きているんだ」
エリス
「前にも伝えましたが
わたしは聖都の神殿で直接神の声を聞ける巫女」
「わざわざ精霊の地に行く必要はありません」
「前回と変わらない話でしたら戻らせてもらいます」
レオン
「まて 王族の古い文献で見たことがある」
「初代獅子王が古い遺跡で見つけたアイテムがこの王族の秘宝
そして文献に書かれていた名前はたしか」
「力のまもり」
「そいつのいうこともまるででたらめという訳でもなさそうだ」
エリス
「なんですって」
レオン
「いいだろう 文献を見れば遺跡のおおよその位置も分かるだろう」
「会いにいってやろう その力の精霊とやらに」
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